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「探偵はBARにいる」アレハフェイクダッタノカ

ハードボイルドの定義というのはよく知らない。良く知らないけれども、これは成功していると思う。適当に面白い箴言をちりばめ、生活臭い探偵が、いざというときには案外頼りになったりする。そのさじ加減が難しいが、大泉洋は適当に体を鍛えているところも見せ、適当に人情と女に弱いところも見せる。適役だった。田口夫妻を死なせてしまう経緯もよかった。

監督 橋本一
出演 大泉洋 (探偵)
松田龍平 (高田)
小雪 (沙織)
西田敏行 (霧島)
マギー

札幌ススキノを舞台にした映画は案外と少なく、もう少しハットするような映像が続いたならば、合格を上げてもよかったかもしれない。

致命的な弱点は、
最初の西田敏行の登場の仕方が、悪役に見えてしかなく、いつ「死んでいたと思っていたのにじつは生きていた」になるかどきどきするところと、
近藤京子の正体が見え見えなところである。わずかに吉高由里子がちらっと出てくるので、もしかしたら……と思っていたのであるが、これが結局フェイクだったのね。しかし、何という贅沢な使い方か。
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マイティ・ソー

「スーパー8よりこっちの方がよっぽどよかった」という映画鑑賞トモダチの意見があったし、ナタリー・ポートマンファンの私としては、見るかどうしようか迷っていた作品だった。普通そこまで動機があったら何を差し置いても見るのだけど、今回は大きな障害があった。メンズデイでも1400円もする3D映画の値段である。

私は3Dは「ぼったくり」以外の何者でもないと思っている。だから極力3Dは避けてきた。2Dに選べるようなら迷うことなく2Dにしてきた。今年になって3D映画を見たのは、実はこれが最初である。3Dしか上映していないのだから仕方ない。万が一傑作だったならば、続編も決定しているようだし後で必ず後悔すると思ったのである。

監督 ケネス・ブラナー
出演 クリス・ヘムズワース (Thor)
ナタリー・ポートマン (Jane Foster)
トム・ヒドルストン (Loki)
ステラン・スカルスガルド (Erik Selvig)
コルム・フィオール (King Laufey

前置きが長くなった。こういうときは、つまりこういうことです。
収穫はナタリーの美しいお顔のみだった。
3Dとして満足したのは、エンドタイトルの宇宙の映像のみだった。

もともとマーベラス制作なので突っ込みどころ満載なのは当たり前だったのかもしれない。でもいくらなんでも彼が人間世界に落ちて少し自分の思う通りにいかないからと言ってどうしてあんなに直ぐに「人間的成長」を遂げることできるのか。ナタリーが恋していく過程は説得力があるのに、ソーが恋していく過程は全然わからない。その他多数。浅野忠信の「無駄使い」にも腹が立つ。

「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか

「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか 幻冬舎新書 日本映画専門チャンネル編

このテーマについては、既に一回記事に書いた。去年の夏、日本映画専門チャンネルがインタビュー特集を編集したものを見てメモしたものに私の感想を付け加えた。この本は、まさにそのインタビューを新書に起こしたもので、私のメモより正確にかつ、当たり前のことだけど詳しくなっている。

それならば、もうこれ以上付け加えることは無いのではないか?そうかもしれない。しかし、この本は、一点のみあの番組より大きな変更があるのである。

それは最終章のこの作品のプロデューサー亀山千広のインタビューである。なんと、彼はそれまでの9人のインタビューを全部見た上で、彼らに反論、付言をしているのである。反則といえば、反則。ただ、この亀山インタビューを見れば、この本のいいたいことは総て見えるという仕組みになっている。そして図らずも、彼が反論しなかった点こそ、「踊る」の最大の弱点なのではないか、と私は思うのだ。

まず、彼の反論を見ていこう。

テレビのレギュラーのときから「犯人のバックグラウンドを描かない」という方針をとっています。そのことが日本映画をだめにしていったのではないかという、荒井晴彦さんなどの厳しい意見もあります。(略)参考にしたのは「ER」など、当時復活しつつあったアメリカのテレビドラマです。これはモジュラー型と言って、主な出演者全員に光を当てる群像ドラマです。ですから「ER」は緊急救命室を舞台にしていますが、患者のドラマは描いていません。(略)この現実をありのままに描くのが現代のドラマだと僕たちは思いました。だからテレビドラマではひとつの犯罪を描くことはしないと判断したのです。

あえて言わせてもらうと、必ずヒーローが勝って、その瞬間世界が平和になる、というようなことを一切描かなかったのが、うけた理由のひとつかもしれません。
映画館に入ったときと出たときとでは、何も世の中変わっていないけれど、主人公に同化して痛かった、よかった、笑った、泣いたという経験が出来ればいい。今までの日本映画も、かなりの作品がそうだったのではないでしょうか。例えば山田洋次監督の「男はつらいよ」などは、マンネリといわれながらも、お客さんは毎年正月になると映画館に足を運んだ。

テレビで放送することが前提だから、セックスも暴力もない映画が増えて、健全でつまらなくなってしまった。これも荒井晴彦さんの指摘ですが、こういう意見もこれまでにも当然聞こえています。(略)映画化したからと言っていきなり残虐になるとか、いきなりセクシーになるというのはひとつの手としてはあるかもしれませんが不自然です。


亀山さんは、荒井さんの批判かには雄弁に「反論」しているのですが、白木緑さんの意見に対してはトタンに歯切れが悪くなります。

テレビ局がかつてない興行成績を稼ぐヒット作を出しても、映画界全体の興行収入は横ばい。なぜならば、それは観客を増やしているのではなくパイの奪い合いをしているだけだからだ。白木緑さんはそう指摘しています。それはその通りだと思います。でもぼくらは少しずつパイを広げていくことをめざしているつもりです。(略)もし「何もすることねえな。映画でも見るか」という人が映画を見に行って「意外とおもしれえじゃん、これ」という体験をさせることが出来たら、「今度休みにすることがなかったら映画にいこう」と思うようになるかもしれない。だとしたら、映画界の未来は明るい。

実は、白木さんは「パイの奪い」を一番に問題にしたわけではありません。「観客を増やしていない」それはつまり、「踊る」は結局「映画ファンを増やさなかった」ということを問題にしているわけです。確かに、「意外とおもしれえじやん」と思った人はいるかもしれない。けれどもデータ的には違うということも一方で出てきているわけです。白木さんは「踊る」だけの責任ではない、と何回言及しています。映画ファンを増やす取り組みは映画界全体でしなくてはいけないことではあります。けれども、パイの奪い合いの結果、「二時間で人生を変える」映画を見損なって潜在映画ファンを喪った可能性はどうなるのでしょう。

白木緑さんは別のところでこういうことも言っています。テレビ界は偶々「映画」というコンテンツを作っているだけだ。「だからもし次ぎに映画館よりももっと魅力のある、お客さんが喜んでくれる場所が見つかったらどうなるか。それはおそらくネット空間だと思いますが、そこへコンテンツは移動していってしまうでしょう」亀山さん自身の意思とは別にそういうことは起きるかもしれない。そういう批判に対しては、亀山さんは沈黙しています。

もちろん「踊る」だけの責任ではない。けれども、「踊る」が育てたテレビ主導の「邦画バブル」はもうあまり続かないでしょう。「踊る」と同じ手法で作った今年の「sp」の無残な内容、小ヒットで終った結果などを見ているとそう思うのです。

「噛めば噛むほど味が出る」そういう映画に出会うこと、それを広めること、それはもしかしたら、私たちブロガーの仕事なのかもしれません。

広島八丁座ツアー

もう一ヶ月前だが、5月8日、私の参加している映画鑑賞サークルの15周年企画として、去年広島市でオープンした和風モダンな映画館八丁座を観に行きました。幸いにも社長の蔵本順子さんに案内してもらったあと懇談会を開いていただいて、いろいろとこの映画館に対する想いを聞くことが出来ました。想像以上の映画館、そして社長でした。たくさんの刺激を貰って帰ってきました。
シネサロン

八丁座を開いたのは、もともと広島市内で単館上映の映画館を経営していた序破急という会社です。サロンシネマ、シネツィンといえば知る人ぞ知る映画館です。私も過去二回行ったことがありました。「父と暮らせば」と「夕凪の街桜の国」の先行上映のときです。「父と暮らせば」のときには映画上映の前に原爆をテーマにした詩の朗読があり、とっても感銘を受けた覚えがあります。聞けば、社長も原爆の映画には思い入れがあり、力を入れているのことでした。

シネサロン内部
さて、我々は広島に着くとまずは映画館めぐりをしました。サロンシネマ(2スクリーン)は広島市中区大手町にあり、タカノ橋商店街から少し中に入ったところのビルの二階にあります。ちょっと目には映画館とは分からない概観ですが、ラインナップを見ると、岡山の単館上映にも来ない作品が来ていたりして「非常に渋い」映画館でした。このときに掛かっていたのは「サラエボ希望の街角」「ランナウェイズ」「ビー・デビル」「津軽百年食堂」「シリアスマン」「大韓民国1%」です。映画通の人には分かるけど、渋いでしょ。

しねついぃん
次ぎに行ったのはシネツィン本通りです。中区本通のビルの地下にあります。「父と暮らせば」を見たのもここでしたが、案内を見るとどうも2-3年おきにリニューアルしているらしく、フランス製キネット社の両ひじかけ付きのシートに、床暖房、大型劇場並みの音響施設を持っているらしい。私のときはそんなにいい椅子ではなかった。もともとは中央名画劇場だったらしくて、映画館としての歴史は51年あります。

新天地
そしてお好み焼きを食べた後に行ったのがシネツィン新天地です。ここも1952年から続いていた新天地劇場リニューアルしたところです。

新天地劇場
此処ではやっと中まで入って映画を見ました。広島の福山市でオールロケをした作品で「少女たちの羅針盤」(感想は別のところで書きました)です。ここにいたってやっと自慢の椅子に座ることが出来ました。

シート
フランス製キネット社シートです。もと200席の席数を148席にしたそうです。非常にゆったりして豪華です。びっくりしたのは、足を伸ばしても前の席を蹴ることがないということ。これだけ前に余裕があれば、あとから来てもらくらく座れますね。

八丁座へ
ここが終わってやっとすぐ近くの福屋の8Fにある八丁座に行きました。蔵本社長が和服で迎えてくださりました。

松の廊下
エレベーターを出るとすぐに目が行くのは、松の廊下の屏風です。名画ではない。ところどころに明らかに瑕がある。ところが非常に貴重な絵なんです。これは東映時代劇の全盛時から培われた京都東映撮影所大道具美術の渾身の襖絵です。去年の開館に当り、蔵本社長の懇願で譲ってもらったそうな。最後の仕事はなんと去年の私の邦画ナンバーワン「十三人の刺客」、幹平次郎が冒頭江戸に出ていたときの後方にあった襖絵だという。

八丁座のロゴ
八丁座のマークも凝りに凝ったものでした。「八」と「蝶」の判じ絵を凝らしたマークに「八丁座」の文字は、黒澤明の映画のタイトルをずっと描いてきた書家のもの。

紅葉の扉
松の廊下から劇場に移行していくと、入場扉の表絵が広島をイメージした紅葉の四季が連なって12枚並んでいます。こちらも京都東映撮影所大道具美術の作品だという。

トイレの受け皿
トイレも和風です。男とか女とかのマークがつくのではなく、殿と姫で案内、中には地元の宮島焼の水受けがありました。

日々の案内や作品名もデジタルじゃなくて、「書」になっていました。作品名はスタッフがそれぞれ書いているらしく、個性があって面白いものでした。

劇場壱
さて、休憩時間に劇場を見させてもらいました。設計は、日本アカデミー美術賞にも輝いている美術監督の部谷京子さん。江戸時代の芝居小屋をイメージしたという。ぱっと目に付くのは、緞帳があります。最近の映画館にはなくなったものです。私的には大変嬉しい。「壱」の緞帳はこんなもの。賛否両論あったらしい。私は支持する。

この椅子の豪華さ
この椅子の豪華さ。マルニ木工の特注品です。広いし、なんと前には食べ物も置けるし荷物も置けるようになっている。

すべての席には
こっちは170席ある「壱」の会場。メインの椅子は二通りあり、ソファー仕様と木の香りを重視するもの。どちらも個性がある。

カウンター席
一番後ろにはカウンター席もある。こちらのほうを好むお客さんもいるらしい。後ろに人がいないのがいいという。

畳席
私が気に入ったのは、この畳席だ。もし周りに人がいなければ、肘掛を外して寝転ぶこともできる。

総ての席は指定席であるが、料金で差はついていない。これを割引料金を使えば、1000円で見ることができる。「お金はないけれど、気持ちは日本一の劇場を作ろう。映画館自体が作品であってもいいのではないか。お客は一度足が向かなくなるとこなくなる。反対に映画館がいいからということで、観光がてらに来ている人も多い。おかげさまで今はずっとヒットしている」と蔵本社長は言う。シネコン全盛の時代に、あえて広島八丁堀という街の真ん中に豪華な映画館を作る。ものすごい冒険だったと思う。全国の映画館としての入りがシネコンを抜いて八丁座が14位とか15位につけていることがあるという。それで全国の映画興行者の間でも注目を集めている。けれど、単館映画館の人が見学に来ての感想は「うちではやれない」といって帰るという。そうだろう、こういう映画館を作るのはひとえに蔵本さんの力量に拠るという印象を強く受けた。ハッキリした数字を覚えていないけれども、改装だけで10億というお金をかけたが、「正直、成功するかしないかよりも、お金を借りることが出来たらあとはこちらのものだと思っていた」というこの度胸のよさ、そして元映画の街だった中心街を活性化させようという志、そしてお客さんの声を常に社長が先頭に立って聴こうとする姿勢、社長の魅力でいまはこの映画館が成り立っているのである。

蔵本社長
懇親会を開いてもらって、気がつけば2時間もお話を伺っていた。

父親から映画館の経営を受け継いだ。映画から勇気をもらった恩返しの気持ちもあるという。ランドセルを放り投げて、普通に映画館に入り浸った子供の頃である。好きな映画はラブストーリーだけど、大好きな映画は「風と共に去りぬ」だという。「明日は明日の風が吹く」というスカーレットの生き方はそのまま蔵本さんの生きたかにもかぶる気がする。あとは時代劇も好きだという。やくざ映画も好きで、特に高倉健が好き。ペットに健さんと名づけるのははばかれたので昭和残侠伝シリーズの花田栄次郎の名前をつけて毎朝「英さんおはよう」と言っているらしい。これもまったく彼女に似合う。

「お披露目式は寅さんの替え歌でスタッフ全員で踊ったのよ。」という。「映画を見てもらって、感想をいただくのが大事なの」終了後、社長のほうから声をかけることがある。「クレーム含めてラブレターだと思っている」

これからの夢を聞くと、「新しい劇場を作りたい」と即答。この冒険に全然満足していない。「まだ反省があるの。今回は和風モダンだったけど、今度は純和風にしたい。シネコンとは違う、日本的な映画館を作りたい」このバイタリティー。観光がてらぜひ近いうちに広島に映画を見に行くぞ、と心に誓った旅でした。
プロフィール

KUMA0504

Author:KUMA0504
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