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はやぶさ/HAYABUSA

冒頭から宇宙工学関係者にしかわからないような専門用語がびしばしと出てきて、ああだからおたく体質の堤幸彦が監督に選ばれたのか、と納得した私でした。けれども、物事は何であれ突き詰めれば、立派な仕事ができるんです。
1009103_01.jpg

監督 堤幸彦
出演 竹内結子 (水沢恵)
西田敏行 (的場泰弘)
高嶋政宏 (坂上)
佐野史郎 (川渕)
山本耕史 (田嶋)

あの竹内結子が最後まで「美人」に見えないという、素晴らしい役つくりをしていた。その他の人々も、実際のモデルそっくりの役つくりをしていたらしく、この堤さんのこだわりは「20世紀少年」とは違い、成功していると思う。竹内結子はめがねとダサい服装、常におどおどとした目つきと、ぴょんぴょんと跳ねる癖で、金にならない学者志望の20代女性を上手く表現していた。

一番最後に、歴代の日本製衛星がずらりと出てくるのであるが、みんな通信や気象、オーロラ観測や放射線、太陽観測など軍事とは関係ない衛星ばかりで、ペンシル型のロケットが日本の最初の実験ロケットであることさえも、なんだか誇りたくなったのでした。日本ロケットの父、糸川氏が言った言葉、「失敗ではない、成果なのだ」とか、日本の純粋に宇宙の秘密を探る知的活動に誇りを持ちたくなる映画でした。

日本映画には珍しい群像劇と言っていい作品。しかも、データを読むだけではあるが、異常にせりふが多い太った人がほとんど素人のような風貌をしているのも、リアル感があってよかった。「はやぶさ」の成功がなければ、全然注目されない地味で職人的なこういう知的世界を知ることができてよかった。
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「モテキ」この映画を擁護します

人生においては一度は訪れる「モテキ」(異性にもてる時期)というのはある。だからさえない、サブカルにだけ詳しいおたく的な男が美女四人に急激にもてだして「恋にエロスに人生に煩悶、妄想、奔走する」そんなお話だそうです。
01モテキ

監督 大根仁
出演 森山未來 (藤本幸世)
長澤まさみ (松尾美由紀)
麻生久美子 (枡本留未子)
仲里依紗 (愛)
真木よう子 (唐木素子)


J-POPミュージックや、ツイッターなどのサブカルが次々と出てくるので、お年を召した方には付いて行くには難しいかもしれませんが、私なんかは普通についていけたことに驚き。もっとも、普段普通のツィートして、フォロワー160超えちゃっている私なんで、当然かもしれませんが。あっ、なんかいつもと文体違ってきちゃっていますけど、これ映画被れシチャッタ、ってことで。

‥‥‥いつもの口調に戻ります。単なる現代風俗切り取り映画かと思いきや、最終盤に至ってきちんとした恋愛映画になっていたので、私としては満足です。もちろんあのラストは突発である、という方も知るかもしれません。私はそうは思わない。どこかで、明確な拒否と飛躍は必要なのです。と、既に「モテキ」を通り過ぎた人間として寂しくこの映画を擁護したいと思います(笑)

85年前後に生まれた女優黄金世代の中で、私は長澤まさみは人気に比べては実力は一歩も二歩も遅れていると思っていたのですが、これで一歩近づいたという気がしています。麻生久美子の場合は安定していました。しかし、それにしても可愛そうな役柄でした。仲里依紗は今が成長の時期なのか、ぴったしはまった役柄でした。森山未来は純情なくせに少し毒を持っているこんな役がよく似合います。松山ケンイチと並んで、日本の映画界を背負って立つ有望株かもしれません。真木よう子って、モテキの対象だったの?これだけが脚本的に疑問でした。

「僕たちは世界を変えることができない。」残念男の向井理

基本的に、若いときの旅は、パックツアーではない旅は、若者を「変えることができる」ことがある。

監督 深作健太
出演 向井理 (田中甲太)
松坂桃李 (本田充)
柄本佑 (芝山匡史)
窪田正孝 (矢野雅之)
村川絵梨 (久保かおり)

これは、事実を基にした映画である。しかも、2005年から2006年にかけてのつい最近の話だ。カンボジアに学校を建てようと、郵便局のチラシを見て思いついた医大生が、実際のボランティアサークルの運営の難しさに悩んだり、実際のカンボジアに行って、その現実に打ちのめされたりして次第と「本気」になっていく話。

私も31歳の時に、初めて沖縄に行った。姫ゆり部隊の生き残りの人のお話を聞き、反戦地主の話を聞き、ガマの中にもぐって未だに残っている当時の小瓶や銃弾を拾い、「ああ、ほんとうにあったことなんだ」と思い、そしてそれが沖縄の基地としてそのまま現代につながっていることを知り、その元凶に「安保体制」があることを知り、たぶんそのときから本格的に私は「平和運動」に係わってきたと思う。

旅は若者を変える。

それは真実である。しかし、それを描ききった映画だっただろうか。もうひとつ、ボランティアは「世界を変えることはできない。」けれども、ボランティアは素晴らしい、ということを描いた映画になっただろうか。

残念ながら、ダメだったと思う。

監督がフィクションとドキュメンタリーを融合させようとした意図はわかる。けれども、ポルポルトの行為を見せる博物館で若者たちが俳優であることを忘れて、それぞれの役割を忘れて顔をしかめる場面を撮るべきではなかった。彼等は、一人ひとりどのような人生があって、どのように成長したのか、その瞬間を映像として説得力を持って「演技」させるべきであった。或いは、カンボジアの少年はやはり小学校に通うという風に「演出」させるべきではなかった。ここの場面は、感動なんかいらない。ボランティアの現実をここでこそ、見せるべきであった。

監督はただ、楽をしたかっただけなのだ、と私には思える。言いすぎだろうか。

期待の大型新鋭、向井理であるが、最初から最後まで彼はただ流されたばっかりで、若者としての「意思」が感じられない。終始わざとらしい演技にしか見えなかった。これから主役を張るべきイケメン俳優なのに、本当に残念だ。ずっと距離を保とうと努力している様子が、映像としてわかる柄本祐は流石であった。ほかは全部わざとらしい。唯一の収穫は、自らの意思で二人の男から離れていった女学生の存在感が説得力ある村川絵梨という皮肉。現代は男優が育たない時代なのか。

日輪の遺産

1945年8月10日、ポツダム宣言受諾を決定した直後、参謀本部の真柴中佐(堺雅人)は軍上層部から「マッカーサーから奪取した財宝を隠匿せよ」という極秘任務を与えられる。財務省の俊英(福士誠治)、大陸帰りの軍人(中村獅童)と、何も知らないで20人の女子学生らと共に作業をするが、追加任務として与えられた命令は非常極まりないものだった。

監督 佐々部清
出演 堺雅人 (司郎)
中村獅童 (望月庄造)
福士誠治 (小泉重雄)
ユースケ・サンタマリア (野口孝吉)
八千草薫 (金原久枝)


狙いは良く分かるし、良心的な作品だと思う。さすが、職人佐々部清監督だと思う。

少女たちのたたずまいが良い。彼女たちの存在自体が無垢でひたむきなので、本来軍人としての判断は「命令とおりにする」というのが本来のあり方だと思うのであるが、それを三人とも簡単に翻すのはある程度の説得力があった。

多くを語らない脚本、2.26の亡霊のような将校や、一度だけ見せる堺雅人の剣の腕前は効果的だった。

けれども、浅田次郎原作で良かったのは「鉄道や」のみであって、その後無数に作られた映画の九割ぐらいを見ているがことごとくダメだったという経験は今回も活かされてしまった。

原作はどうだったのかは良く分からないけど、少女たちがあの短い間に直ぐに決心した経緯や、マッカーサーが即座にあの財宝を諦めたのは納得がいかない。10秒のフラッシュで良いから納得のいく映像を見せて欲しかった。

浅田次郎の原作は「虚実織り交ぜ」が特徴なのであるが、「虚」にいつも共感できないのである。

神様のカルテ

僻地の医療でもなく、大病院の医療でもなく、地域病院にスポットを当てている点が新鮮である。地方都市の救急病院の内科医として勤務している一止は、夜勤の日などは寝る間もないほど忙しい。

本当に満足な医療をしてあげていられているのか。

心優しいイチは、妻のハルから言えば「最近でこそ泣かなくなったけど、いつも心の中で泣いている」普通の勤務医だ。

監督 深川栄洋
出演 櫻井翔 (栗原一止)
宮崎あおい (栗原榛名)
要潤 (砂山次郎)
吉瀬美智子 (外村)
岡田義徳 (学士殿)


誠実に人に相対していけば、こういう物語になるのは明らかであり、あとは安心して人の気持ちを掬い取る話に浸って入ればいいというお話だ。

ハルはずーと眠たそうな雰囲気を出していればオーケーである。そういう役だ。心とは裏腹に表情をほとんど動かさないのが彼の役である。だから桜井翔は雰囲気は出していたが、ただそこに居るだけの役割である。感情を出すのは、周りの看護婦、医者、そして妻や下宿の住人たち。それぞれが芸達者であり、手堅くまとめている。宮崎あおいは、夫を理解し、癒す妻を演じて過不足なし。もう少しチャレンジする役を作ってあげたい。勿体無いと思う。

これといって、すごいところはない映画であるが、やっぱり最後の手紙には泣かされた。「神様のカルテ」は最初ほんの少しだけ出てくるが、そういう意味だったとは!ここだけは少しやられたかな。
プロフィール

Author:KUMA0504
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