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「ブラック・スワン」の閉じられた世界

バレエという世界は、閉じられた集団の中で完結する。演劇のように自由な移動はない。しかも年々、興行は尻すぼみだ。若年のときから研鑽を積んでやっと花開くのがプリマドンナであり、もう後はない。ニーナにとって世界はバレエしかないのである。そういう特別な世界だから生まれた作品なのかもしれない。

ブラックスワン

監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ナタリー・ポートマン (Nina Sayers)
ヴァンサン・カッセル (Thomas Leroy)
ミラ・クニス (Lily)
バーバラ・ハーシー (Erica Sayers)
ウィノナ・ライダー (Beth Macintyre)

一方、バレエの作品の中には「世界」がある。恋と愛、陰謀と真実、生と死、男と女‥‥‥とじられた世界の中に永遠と続く世界、それはまるで万華鏡の世界ではある。この作品は、図らずも鏡が重要なアイテムとして使われていたが、そういう世界観をよく映していた。

ナタリー・ポートマンはもちろん素晴らしかった。トップダンサーを踊って全く違和感がなかった。いったいどれほどの修練を積んだのだろうか。閉じられた世界で与えられた課題を演じようとして、誘惑され、悪に魅入られ、そして開放する女性を狂気の中で表現する。圧倒された。

「レオン」で鮮烈に登場した彼女は、もともと少女にして女性、不良にして清純という二面性を演じるところから始めた。その後、少し清純な役が多すぎたのかもしれない。今回の役は彼女の可能性を一つ示しただけであって、私にとっては意外でもなんでもなかった。マチルダから私はずっと彼女のファンであるが、この役で更なる飛躍を望むばかりである。ただし、今年初めの彼女の結婚報告にはショックではあったが。

作品自体は、女性特有の悩みと可能性、それを利用する男と社会を表現していた。狂気の表現があくまでニーナの主観で描かれていて、客観的な現実を描いていない分、共感してみていた女性にはものすごいホラー作品のように思えたようだ。男の私には共感しにくいところが多々あり、それほど怖くはなかった。たぶんいろんな見方がある作品になっていると思う。

前回の「レスラー」同じ仕事中毒を描いていても、男性の視点から描いており、ワーキングプアの世界も見えていた。今回は社会性は皆無である。だんだんとこの監督の描きたいものが見えてきた。
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No title

仰るとおりで、イメージとしてすっかり清純な役が板についてましたよね。特に彼女が大人になってからの「スター・ウォーズ」のイメージはかなり強くて、誰に聞いても王女ってのが多い(笑)
『ブーリン家の姉妹』では悪女を演じてましたが、相方がスカーレット・ヨハンソンだったせいもあって、何となく違和感を禁じ得ませんでした。
今回は悪女とかそういう言葉ではくくれない二面性、1人の人間の中に存在する二面性を見事に演じていたと思います。まるで2つの人格がそれぞれの存在を認識しながら、危ういバランスを保っているといったようでした。

No title

KLYさん
いつも女性に振り回されている私にとっては、このような女性の二面性はよく経験しているのです(^_^;)。
ただし、圧倒されました。映画でそういう女性の内面を見るということはまた格別です。二回目見たらもしかしたら、怖くなるのかもしれない。

その道を 極めようとしたために・・・・

先日 レンタルDVDで新作に ありましたので みてみました。

 たしかに 役のポジションは ライバルを蹴落とし 何時間もの練習で技術をみがきます ねたみ 嫌がらせは つきものですけど 

 ナタリー演じる ソリストは 母の過剰な期待に答えようとライバルに負けまいと あの嫌味な指導係が「白鳥は合格だが黒鳥は イマイチだ!」と 厳しい評価。黒鳥役を極めようと 没頭し過ぎ 精神状態が不安定でしたね。
それが いかに こわいことか 知りました。
 
 昔 70年代 作家の三島由紀夫や川端康成は 作品を極めようと日々 構想を練っていましたが あまりに "日本の美"が なんなのか "完璧さ" を考えすぎたために 割腹自殺や ガス自殺しました。 詰めすぎると精神感覚がなくなってしまうんですよ。

 この ブラックスワンにしても それと同様 精神がまともじゃなくなっていくんですよね。
平々凡々でよかったと 自分に感謝するボクは つまらないでしょうか?

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