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「岳-ガク-」

「お父さん痛かったかなあ」
「……お父さんは死ぬ前とっても苦しんだと思うよ」
「……」
「でも、お父さんは凄い」
「……?」
「あんなに怪我をしていたのに、何度も何度も君のところに行くために戻ろうとした。僕にはできないと思う」
「……!」
「いつかお兄ちゃんと一緒にあの山に登って頂上で男メシを食べよう」

台詞のニュアンスは若干違うけれども、一番グッときたジャングルジムの上でのシーンである。

監督 片山修
出演 小栗旬 (島崎三歩)
長澤まさみ (椎名久美)
佐々木蔵之介 (野田正人)
石田卓也 (阿久津敏夫)
市毛良枝 (谷村文子)

描かれているのは、山の上の物語だけど、どうしても連想させられるのは、3.11午後に起きたことだ。親子が別れ別れになって死を意識すること、一瞬の油断が命取りになること、死んだ要救助員をフォール(崖から落として死体を回収)すること。生と死は紙一重だ。此処にはあそこで起きたであろうと事が、その一部が、そのまま描かれているような気がしてならなかった。「山にいはいいことと、悪いことが半々ある。」海もそうだけど、自然は怖い、同時に美しい。そのことだけは二時間と少し、充分伝わった。

ただし、クライマックスの救助のあり方は素人の私から見ても突っ込みどころ満載である。一つ一つは書かないが、現実離れしているところがたくさんあって、かなりの減点になった。また、小栗旬は頑張っていたが、長澤まさみはお嬢さんが昨日今日登山を始めた様にしか見えなかった。少なくともプロの救助者として合格したにしては、その体力も心の持ちようもあまりにも幼稚だ。監督の演出も悪いのかもしれないが、監督と喧嘩をしてでも納得のいく演技を見せるような女優に早くなって欲しい。彼女には早く一皮剥けてほしい(髪を短くしたぐらいで女優魂を見せたと宣伝しないで欲しい)。一時の吉永小百合のように、これからの映画界を担って行く人材なのだから。
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