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「ダンシング・チャップリン」哀しくやがて疲れて

少し勘違いしていた。周防監督の妻に花道を用意するために、それを一番の目的として作ったのだと思っていた。

監督・構成 周防正行
振付 ローラン・プティ
出演 ルイジ・ボニーノ、草刈民代

一幕の「プロローグ」を見て、それが間違いだったことを悟った。ついに草刈民代の「これが最後の踊りね」といった呟きは出てこなかった。代わりに振付師ローラン・プティの、既に何回も見たに違いない自作のビデオを見ての涙があった。あるいは60歳にして柔らかい心と厳しい顔を併せ持つダンサー、ルイジ・アボーニの姿があった。このドキュメンタリーの目的は明らかにこの貴重な二人の姿を、ほとんど記録として残ることのない不世出のバレエを、映像に焼き付けることにあったのだ。

私のようなバレエ無知のための映画であった。そのための二部構成だった。2幕目はまさに直球、バレエというものが単に踊りの妙を楽しむだけでなく、実に豊かな表情を生み出すことを証明して見せる。

監督の妻への愛は、ことさら映画で表現せずとも、最後の踊りを永遠に映像で焼き付けるという企画段階で達成していたのかもしれない。

さて、肝心のバレエの感想である。バレエ初心者としては、二時間弱少し眠くなっただけで何とか見終えることができたのは、たぶんエンタメ作家周防さんの力量なのだと思う。感動したかといえば、うーむとしか言うしかない。

人間の限界を超えた踊りだということも分かる。でもやっぱり私は映画には心理のアヤや葛藤を描くことを期待してしまうのである(私は踊りからそういうのを見分ける力量がないのです)。

このバレエのチャップリンの描き方が「可笑しく、やがて哀しき」ではなく、「厳しく、寂しく、哀しく」で終始していたのは、振付師のチャップリン観だと思うが、若干疲れた。
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