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「死にゆく妻との旅路」保護者責任者遺棄致死罪なんてくそ喰らえ!

「逃げているといわれるわな。卑怯者だと……」
「私はあなたと居るだけでいい……」

a10死にゆく妻との旅路

監督 塙幸成
出演 三浦友和 (清水久典)
石田ゆり子 (ひとみ)
西原亜希
掛田誠
近童弐吉

男が妻を連れて旅をする経過は、妻に押し切られたという感じである。そもそもこの男はいつも成り行きまかせだ。面倒なことからは常に逃げている。それで溜まった借金が4000万円。若いときにはかなりぶいぶいいわせていた節がある。ずっと無精ひげを生やしていたがかなりいい男ではある。自己破産が単に嫌で現実逃避している男を詰るでもなく、ただ側に居たいという純情を貫く妻もまた、かなり浮世離れしている。でもありうる話であり、実際あったのである。

享年41歳で"子供のような頃"から妻になって、"結婚したときは既に子供と一緒だからこれが初めてのデートね"と言っているようだし、出来ちゃった結婚でおそらく25年間ぐらいこのさえない男に恋をしていたということなのだろう。長いようで、ありうる話ではある。実際あった話だ。

側に人がいないとダメな人はいる。私は独りでも全然平気なタイプだけど、信じられないくらいさびしんぼうな人はいる。客観的には男は保護者の責任は果たさなかったが、主観的には男は妻を救ったのだ。そして、妻も男を救ったのだ。

私には末期癌患者を四ヶ月看病した経験がある。それでいうと、妻は相当苦しかっただろうと思う。最後の一ヶ月は映像には映しきれない修羅場がいくつもあっただろう(なにしろモルヒネがないのだ)。妻は何度も何度も苦しみを訴えて男を詰っただろう。男は本当に良く頑張った。

それでも患者は散髪はしてもらいたいし、(出来れば最後までお風呂には入りたいし)、外の景色は見たいものなのだ。妻はある意味では幸せな患者だった。妻の決断は正しかった。病院にいても苦しいものは苦しいのだ。ましてや、夜中に死にそうな苦しさから目が覚めて周りに人が誰もいないときの恐怖は体験したものにしか分らない。そうだ。そのことを考えると、私は末期癌患者に何ということをしたのだろうか、と今でも思う。
「保護者責任者遺棄致死」なんてくそ喰らえ!だと思う。ほんの40年前までは癌患者はみんなあんな感じで亡くなったのだ。

美男美女が演じているからだけでなく、たぶん何度も何度もお互いがお互いを"美しい"と感じた瞬間があるに違いない。
「俺たちは運がいいんだ」
その判断は正しかった。

石田ゆり子は繊細で寂しがり屋で愚かで可愛い妻をみごとに演じた。今年の邦画部門主演女優賞ものだ。

北陸の空気感は良く出ていたと思う。ロードムービーだけど、あまり姫路や鳥取、甲府の空気は感じられなかった。

数ある末期がん映画の秀作として
数ある夫婦愛映画の秀作として
覚えておきたい作品だと思う。
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